撮影日: 06 May, 2022
カザフスタンのほぼ中央に位置するジェズガズガンという街がある。
ここは国鉄の非電化区間の真っただ中だが、この街の中の工場専用線だけ電化してある。
そこでは東ドイツ製EL21という凸型電気機関車が走っている。
EL21
1981-1986年に東ドイツのハンスバイムラー (okomotivbau Elektrotechnische Werke „Hans Beimler“ Hennigsdorf)でソ連向けに製造された電気機関車だ!
„Hans Beimler“ は, Brandenburg州 オーバーハーフェル郡 にあるHennigsdorfという街に位置する。(ベルリンの北西)
筆者は見たこと無いが、EL2, EL3, EL4といったELシリーズを生産したそうだ。
Lokomotivbau Elektrotechnische Werke „Hans Beimler“ Hennigsdorf – Wikipedia
今回の主役はこのEL21だ。
旅行中、カラガンダの駅に座って待合室でネットサーフィンしていたところ、ジェズガズガンという砂漠のど真ん中の街に東ドイツ凸型が走っているという情報を入手。旅程を捻じ曲げて直行した。
ジェズカズガン-鉱山都市
ジェズガズガンは人口8.6万人の都市。銅鉱山と処理工場(銅製錬所)のための都市だ。マンガンと鉄も出るとのこと。
wikiには大気汚染について記述があるが、筆者が行ったときはそこまで感じなかった。市内にある巨大なケンギル貯水池については汚染されているとのことだが、普通に水に入っている人が居た。
工場 Kazakhmys Corporation LLP
撮影地1
場所: 47.782080, 67.695053
こちらの撮影地1は、通行人もまばらに居りオーバーパスの道路から丸見えだが、通報されることは無かった。
朝1本目
1本目は東からの光を受けて。
積み荷について謎なのは、銅鉱石に見えない。これは一体何なんだろう。
こちらの028号機の運転士アンドリィは親切で折り返しの時運転席に乗せてくれた!(あくまでフィクションです。カザフ人の撮り鉄マナーお気持ちポエムがはじまってしまう!(ネタです))
ジェズカズガンの専用線は西北西に傾いた東西方向に伸びているので、午前も午後も無限に撮影できる。
撮影が可能な区間は2.5km程度に収まっている。徒歩で場所を変えつつ撮影した。
撮影地1 -線路の反対側
太陽が程よく回ったころにやってきた。
撮影地2
47.780449, 67.704764
撮影地はカーブが始まる地点。
本数が冗談みたいに多いので、雲にやられても30分くらい待てば直ぐ来たりする。
こちらのアウトカーブは当写真の前に2本も曇られた。
ここでロシアでよく見かけるディーゼル機関車TE116Uも撮影出来た。
撮影地3
47.781542, 67.710801
空になった貨車を引く姿が撮影できる。
積み荷がないのが残念だが、かなり良くできたイポンスキー73カットで満足。
撮影地4
47.781476, 67.697815
高圧線の鉄塔の真下に三脚を立てて撮影できる。
ここは、南側のダーチャへ帰宅する人の勝手踏切。午後順光なので、地元民が結構線路横断してくる。そのため怪しまれないように電気機関車を撮ってると言おう。
ロシア語で電気機関車は「エリェクトロヴォズ」だ。
まれにPPもやってくる。
重連
(撮影地5) 道路橋~撮影地2の間の適当な原野
逆線(左側通行)で単機が帰ったら重連が来る合図だ。
順光時間帯に重連を撮り逃し、その法則に気づいたのだが、この日は逆光になってようやく重連が来た。
こういう重連もあるということで。
大事なのでもう一度言うが逆線(左側通行)で単機が帰ったら重連が来る合図なので次に行く人は挑戦してください。
TE116, TE10
狙いの機体ではないが2TE116Uも撮影出来た。
いかつい見た目だが2010年製と新しい。
ほかに夕暮れ時TE10も来たが、余りの疲労かつ逆光で上手く取れなかったのでボツ。
本数
14往復もあった。
無限に列車がやってきてしまうので、体力を考えつつ撤退する方が良い。19時に工場行の便が通った時はどうしようかと思った。
赤色は上記に写真あり 個体 – 通過時刻 – メモ
●工場行
- 9:07 – EL21 028 – 朝一
- 9:47 – EL21 252 -下が赤い
- 10:13 – тэ116у 0089
- 11:34 – EL21 223 – 全面ボロい
- 11:59 – EL21 252 – 雲
- 12:24 – EL21 257 -雲
- 12:42 – EL21 027 – 優勝
- 14:03 – EL21 028 – 撮影地移動したため、逆光なのでサブ機で適当
- 14:55 – 重連 (多分EL21 028)とEL21 253
- 16:19 – EL21 253と027 PP(貨車がデカい)
- 16:41 – EL21 252
- 18時頃 – EL21 257 -まだくんのw
- 18:44 – 重連 EL21 223 と 257 (257は逆線で走ってきたのを前に繋ぐ)
- 19:04 – PP TE10とEL22 028
●工場帰り
- 10:16 – EL21 028 – 乗った
- 忘れた
- EL21 223 たぶん
- 13:28 – тэ116у 0089
- 13:53 – EL21 252 -優勝 目がつぶらで可愛い奴
- 14:56 – EL21 257 – 被られた
- 15:29 – EL21 027 – 連射しそこねて危なかった
- 15:54 – EL21 253 – 単機
- 16:58 – プッシュプル EL21 028とEL21 027
- 17:51 – EL21 252
- 19:25 – EL21 257
残りEL21 253, EL21 223, TE10, EL21 028
撤退。死ぬまでまだ工場に居る機関車を待っているわけにもいかない…
※東の方へ延びる引き込み線は1往復、南東へ延びる鉱山へ行く路線は3往復以上(うろ覚え)ディーゼル機関車は走ってきた。
列車でのアクセス
ヌルスルタンから夜行で1晩で行ける。カラガンダ-ジェズカズガンの列車も走っている。
後述するが宿がイマイチ探しづらいので、面倒なら夜行で来て、その日のうちに夜行で帰るのも良いと思う。
宿について
ブッキングコムが使えないため、電話予約等するしかない。
値段は高いが、比較的街中にある宿。案外満室が多いらしく、自分が電話したらスタンダードは満室と言われた。
スタンダード 12000Tenge = 4000円
リュクス 15000Tenge = 5000円
(僕が行ったとき満席だった。)
3: Samsung
病院(サムスン)の中にある宿泊施設 僕が泊ったところだ。
こちらはスタンダード8000テンゲ、2600円程度。
町はずれにあり撮影地までのアクセスが悪いが、路線バスは出ている(駅までは11系統、市庁舎方面は12系統)
宿を決めずに町へ突入したら異様に高いホテルや、満室やらで大変だったが、おばさんの助けによりなんとか宿を見つけた。東横イン並みにきれい。朝食は物足りない量に見えたが、アラサーの胃には丁度良かった。
4: Metallurg
もう忘れたけど断られた気がする。
おわりに
奇麗な側面光で重連のEL22を撮り逃したのは痛恨のミスだが、おおむね満足できる撮影になった。
東ドイツ凸型機関車、カザフスタンの新名所と言って間違いない!
EL21をロシアで見たい人へ
チェラビンスク州で、VL22Mが走っている鉱山でついでにEL21も撮影できる。
参考サイト
Уникальная технология Жезказганских ОФ
Google翻訳: ジェスカスガンコンセントレーターのユニークなテクノロジー
Жезказганский горно-металлургический комбинат